2023-08-21 公開
「酸素欠乏危険作業主任者とは?技能講習について解説」
酸素欠乏危険作業主任者とは、酸素不足や硫化水素中毒の恐れがある現場で、作業員の安全を確保するための責任者です。 酸素濃度が低い場所や有毒ガスが発生しやすい地下・タンク内での作業では、目に見えない危険から命を守るために、この資格を持つリーダーを配置することが法律で義務付けられています。
適切な換気や測定、保護具の使用を指揮し、労働災害を未然に防ぐのがこの資格者の重要な役割です。本記事では、受講が必要な「1種」と「2種」の違いや、講習の内容、仕事での活かし方を分かりやすく解説します。
この記事では以下のような内容をご紹介しています。
酸素欠乏危険作業主任者とは?
酸素欠乏危険作業主任者は、トンネルや下水道など、酸素欠乏症を引き起こす可能性がある現場で作業を行う際に、必要な資格を取得した人のことを指します。また、資格そのものを意味します。
目的
酸素欠乏危険作業主任者は、危険作業時の労働災害や重大事故を防止する役目があります。酸素欠乏症や硫化水素中毒は死亡率が高く、業務従事者の知識不足が原因で起こってしまうことがあるといわれております。
しかし、これらの災害は、原因を把握して対策に努めれば防止することができます。危険作業時の労働災害や重大事故を防止するためには、作業の進め方の監視を行い、安全に作業できるよう指揮監督をするのが、酸素欠乏危険作業主任者なのです。
尚、酸素欠乏危険作業の危険性については、「酸素欠乏危険作業の場所とは?酸素濃度別体への影響」の記事で取り上げていますので、合わせて読んでみてください。
酸素欠乏危険作業 第1種と第2種の違いについて
酸素欠乏危険作業には「酸素欠乏危険作業 第1種」と「酸素欠乏危険作業 第2種」があります。大きな違いは、作業に硫化水素中毒の危険性があるかどうかです。以下に詳しく解説いたします。
| 区分 | 対象となるリスク | 主な作業場所の例 |
|---|---|---|
| 酸素欠乏(1種) | 酸素が足りなくなるリスク | タンクの中、風通しの悪い地下室 |
| 酸素欠乏・硫化水素(2種) | 酸素不足 + 有毒ガスのリスク | 下水道、汚水処理場、し尿処理施設 |
・酸素欠乏危険作業 第1種とは
「酸素欠乏危険作業 第1種」は、酸素欠乏症になる恐れがある場所での作業を指します。トンネル工事やタンク清掃など、酸素濃度の低下が激しい作業が当てはまります。
・酸素欠乏危険作業 第2種とは
「酸素欠乏危険作業 第2種」は、酸素欠乏症に加えて硫化水素中毒になる恐れがある場所での作業です。「酸素欠乏危険作業 第1種」より当てはまる作業の範囲が広く、地下水工事や浄化設備の清掃などの作業を指します。
「第2種酸素欠乏危険作業」は、酸素欠乏危険作業主任者の資格だけでは行うことができないため、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者の資格の取得が必要となります。
※「硫化水素=下水道などで発生する猛毒ガス」
酸素欠乏危険作業 第1種と救急再圧員
「酸素欠乏危険作業 第1種」には、潜水作業も含まれます。潜水作業では、高圧から通常の圧力の場所に戻ったときに、高気圧障害を引き起こす可能性があります。このような危険な状態に陥った場合、救急再圧員が再圧タンクを用いて救急処置や治療、予防を行う必要があります。
救急再圧員とは、高気圧作業安全衛生規則・労働安全衛生規則に規定する特別教育を修了した人のことで、再圧タンクを用いて救急処置や治療などが行える資格所持者のことを指します。
再圧タンクとは?
再圧タンクとは、高気圧障害が生じた人がタンク内に入り、圧力を加えて治療するもので、水深10m以上の水中作業を行う場合に、法令で設置が義務付けられています。
高気圧障害は、潜水作業で圧力の高い水中から出たときに圧力の変化から身体に異常をきたす状態のことです。高気圧障害に陥った場合は、再圧タンク内に入り、潜水しているときと同じ圧力をかけて治療をします。
再圧タンクの詳細については、 こちらをご覧ください。
酸素欠乏危険作業特別教育とは?
酸素欠乏危険作業特別教育(第1種・第2種)とは、酸素欠乏症を引き起こす可能性のある作業を行う従事者を、安全衛生上守るための教育です。事業者は、従事者に酸素欠乏危険作業特別教育をするよう義務付けられています。
ただし、酸素欠乏危険作業主任者や酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者の資格を取るには、以下の講習を修了しなければなりません。
・酸素欠乏危険作業主任者技能講習
・酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習
「酸素欠乏危険作業主任者技能講習」は、酸素欠乏症に関する知識がメインの講習です。それに対して「酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習」は、酸素欠乏症に加えて硫化水素中毒についても学びます。「酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習」を修了した場合、酸素欠乏症に関する講習が重複するため、「酸素欠乏危険作業主任者技能講習」は免除されます。
酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育は、以下2つの方法で受講できます。
・団体や企業主催の講座
・WEB講座
団体や企業が主催する講座があり、「建設業労働災害防止協会」や「東京労働基準協会連合会」等で受けられます。また、「CECC建設不動産総合研修センター」や「SAT株式会社」では、WEB上でも講座を受けられるので、自宅にいながら知識を得たい方におすすめです。
以下一例ではありますが、酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育を受講できるページのURLを記載します。受講日程や料金、カリキュラムの時間などがそれぞれ異なりますので、受講を考えている方は確認してみてください。
Q&A
Q1. 酸素欠乏危険作業主任者の講習に受講資格や試験はありますか?
A. 18歳以上であれば、実務経験を問わず誰でも受講できます。 数日間の講習を受け、最後に行われる修了試験に合格することで資格を取得できます。試験の内容は講習をしっかり聞いていれば理解できるレベルですが、命に関わる知識のため集中して臨むことが大切です。
Q2. 「1種」の資格だけで下水道の工事を指揮することはできますか?
A. いいえ、下水道などの現場には必ず「2種」の資格が必要です。 下水道や汚水処理施設では、酸素不足だけでなく「硫化水素」という猛毒ガスが発生する危険があるため、より広範な知識を持つ2種の作業主任者を配置しなければならないと法律で決まっています。
Q3. 作業主任者が現場にいないとどうなりますか?
A. 法律違反となるだけでなく、重大な死亡事故に直結する恐れがあります。 酸素欠乏症は一度起きると自力での脱出が困難で、救助に向かった人も二次災害に巻き込まれるケースが多々あります。安全な作業環境を整える「司令塔」として、作業主任者の配置は現場の命を守る絶対条件です。
まとめ
この記事では、酸素欠乏危険作業主任者の役割や酸素欠乏危険作業 第1種・第2種の違い、酸素欠乏危険作業特別教育とは何かについてお伝えしました。作業従事者の安全を守るためには、酸素欠乏症や硫化水素中毒の知識を学ばなければなりません。Web上でも学べるので、受講してキャリアアップにつなげるのもよいでしょう。
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