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サンドブラスト加工とは?加工機械の種類とブラスト処理の種類を解説

金属表面の磨き加工や、ガラスを削った細やかな彫刻、樹脂製の物質への加工などに使われる“サンドブラスト”。 製造業から建築業、アートの世界まで、サンドブラスト加工は多岐にわたる分野で活用されています。そのため、加工するものによってサンドブラストの形状が異なり、ブラスト処理の種類もさまざまです。

そこで本記事では、サンドブラスト加工の基本や特性、加工機械の種類やブラスト処理の多様性について解説します。 弊社では、主に水中で使用しているため、弊社では使わない技術の部分は一般的なご紹介になります。 実際に、東日本海洋建設でサンドブラスト加工技術がどのように活用されているかについて知りたい方は「サンドブラスターとはどんな加工?使われ方や特徴、具体的な作業方法を解説!|社員コラム」をご覧ください。 弊社でのサンドブラストの使用方法や具体的な作業内容について解説しています。

サンドブラスト加工とは?

サンドブラスト実施完了
サンドブラスト実施完了

サンドブラスト加工とは、素材の表面に対して、砂やその他の研磨材を高圧で吹きつけ、微小な凹凸を作ることで表面を整える加工技術です。 この技術は、材料の表面を清浄化するだけでなく、ある種の表面処理を施し、見た目や耐久性を高める効果ももたらします。 サンドブラスト加工は金属、ガラス、プラスチックなど、多岐にわたる素材に適用することができ、それぞれの材料に合わせて用いる研磨材や加工方法が異なります。

例えば、金属部品の表面を均一にする、ガラスにエッチングされた美しいデザインを施す、建築物の外壁を清掃するなど、その用途は多岐にわたります。 また、船舶や橋梁のサビを除去する目的で用いられることもあり、これにより素材の寿命を延ばすとともに、安全性を確保することができます。

さて、多くの種類が存在するサンドブラスト加工機械ですが、それぞれ特有の利点と使用シーンがあります。 例えば、重力式や吸引式は、そのシンプルさから手軽に使用することができ、加圧式は精密な仕上がりが得られるため、高いクオリティが求められる職場で重宝されています。 また、ブロワ式はコストを抑えつつ一定のクオリティを確保できるため、コストパフォーマンスを重視する場で選ばれています。

サンドブラスト加工は、それぞれの特性を理解し、適材適所で使用することで、製品や建造物の価値を大いに高めることができます。 そして、技術の進化と共に、新たなサンドブラスト技術も生まれ、多くの業界で利用の幅を広げています。

サンドブラスト加工機械の種類

サンドブラスト加工機械には、いくつかのバリエーションが存在し、それぞれ特有の利点や用途があります。 ここでは、その中から「重力式」と「吸引式」の2つのタイプに焦点を当て、各機械の特徴と用途について紹介します。

・重力式

まず最初に「重力式」サンドブラスト加工機械について解説します。このタイプの加工機械は、名前の通り、重力を活かして投射材を供給するシステムを有しています。 重力式では、装置本体内のホッパーから、自然の重力に従って投射材が下に落下し、その後、圧縮空気によってノズルから投射材が吹き出され、対象物に向けて加工を行います。

重力式の特徴としては、構造がシンプルであるため、メンテナンスが容易であるほか、初期投資コストが比較的抑えられる点が挙げられます。 一方で、精密な加工や均一な仕上がりを求めるシチュエーションにはあまり適していないと言えるでしょう。一般的には、大きな対象物に対して、均等でなくても良い加工を行う際に用いられます。

・吸引式

吸引式の機械は、吸引力(バキューム)を利用して投射材をノズルに吸い込み、加工を行います。 具体的には、ノズルの近くで空気の流れが生じ、その流れを利用して投射材が吸い上げられ、ノズルから吹き出される仕組みになっています。

吸引式の利点は、投射材の供給が安定しているため、比較的均一な仕上がりを得ることができる点にあります。 また、重力式に比べて精密な加工が可能であり、小さな対象物やデリケートな作業が要求されるシーンで使用されます。

このように、サンドブラスト加工機械を選定する際は、加工対象のサイズや材質、希望する仕上がりなどの要素を基に、それぞれの機械が持つ特性を考慮して選ぶことが重要です。 重力式がシンプルでコストを抑えたい場面や大きな対象に適しているのに対し、吸引式はより精密な加工が可能で、小規模な作業に向いています。 お客様のニーズに最もマッチする機械を選定することで、より効率的でクオリティの高いサンドブラスト加工を実現することができるでしょう。

ブラスト処理の種類とは?

以下では、6つのブラスト処理について、それぞれ異なる特性や用途を説明いたします。

・サンドブラスト 乾式(エア式)

一般的なブラスト処理として広く知られている「サンドブラスト」は、圧縮空気を使って砂や他の研磨材等を対象物に吹き付ける技術です。 表面のサビやペイントを取り除く際に利用され、また、表面を荒らして塗装やコーティングを行いやすくするための処理としても用いられます。

・吸引式ブラスト 乾式(エア式)

「吸引式ブラスト」は、ノズル内で生じる吸引力を利用して研磨材を吸い上げ、対象物に対して均一に吹き付けるものです。 細かなパーツや複雑な形状のものを綺麗に仕上げるのに適しています。

・ブロワブラスト 乾式(エア式)

「ブロワブラスト」は、特殊なブロワ(ファン)を用いて研磨材を対象物に吹き付けます。 一般的なエア式とは異なり、低圧で広範囲の対象を均一に処理できるため、大きな構造体のサビ取りなどに適しています。

・ドライアイスブラスト 乾式(エア式)

「ドライアイスブラスト」は、固体二酸化炭素(ドライアイス)を使用します。 気体となるドライアイスを使用するため、後処理のクリーンアップがほとんど不要となります。食品産業や清潔を要する場所で好まれます。

・ショットブラスト 乾式(機械式)

「ショットブラスト」では、メカニカルな方法(例えば、ホイール)で研磨材を対象物に向けて発射します。 広範囲に投射可能で、大面積の均一処理が可能です。一般的に塗装前の下処理に用いられます。

・ウェットブラスト 湿式(エア式)

「ウェットブラスト」は、水と研磨材を混合して使用します。ダストレスであり、処理後の表面が滑らかになります。 また、加工時の熱による摩耗や変形を抑えるため、電子部品の加工などに用いられます。

それぞれのブラスト処理が持つ特性を理解し、プロジェクトに最も適した手法を選択することで、エフィシエントかつ品質の高い仕上がりを得ることができます。 適したブラスト処理を選ぶことで、作業効率や製品品質を最大化し、長期的にはコスト削減や生産性の向上にも寄与します。

まとめ

サンドブラスト加工の世界を少しでも身近に感じていただけましたでしょうか。今回はサンドブラスト加工の定義から、その機械と加工方法の種類、そしてそれぞれの特性について解説しました。 各ブラスト処理が持つ特長を理解し、適材適所で利用することで、効率と品質を両立させることができます。

今後も、技術の進歩とともに変化していくであろうサンドブラスト加工の世界。その進化を見逃さないようチェックしていきましょう。

また、東日本海洋建設業界でのサンドブラストにおける具体的な作業方法や活用事例について知りたい方は、「サンドブラスターとはどんな加工?使われ方や特徴、具体的な作業方法を解説!|社員コラム」 をご覧ください。現場でのサンドブラスの利用法について学ぶことができます。

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