メインビジュアル

People 社員コラム 海洋建設のしごと

アーク溶接技能者の資格、JIS溶接試験とは?

アーク溶接に関する資格には、作業を行うために必須の「特別教育」と、技術レベルを証明する「JIS溶接技能者」の2種類があります。 溶接作業は強い光や高温を扱うため、安全を守るための特別教育を受けることが法律で義務付けられています。

一方で、JIS溶接技能者は、一定以上の技術があることを公的に証明するもので、橋梁や高層ビルなどの重要な建設現場で働くプロには欠かせないステータスです。本記事では、初心者がまず受けるべきものから、キャリアアップに必要なJIS試験の種類まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。

JIS溶接技能者とは?

JIS溶接技能者とは、鋼構造物の製作するときに溶接作業をするための民間資格を指します。JIS(日本産業規格)やWES(日本溶接協会規格)といった国内の規定に基づいた学科・実技試験に合格すると取得することができ、資格の種類はさまざまです。専門的な知識や技術を証明するものであるため、溶接の経験を積んでから取得すると良いでしょう。

それに対して、アーク溶接技能者の資格は、溶接業務に従事する作業員に取得が義務付けられたものです。安全衛生特別教育規程で定められた「アーク溶接等の業務に係る特別教育」を受講し、修了後に資格を取得できるため、JIS溶接技能者よりも取得しやすい資格と言えます。溶接関係の仕事を始めるなら、まずはアーク溶接技能者を取得するのがおすすめです。

「アーク溶接等の業務に係る特別教育」の内容を記載しますので、これからアーク溶接技能者の資格取得を目指す方は参考にしてください。

アーク溶接等の業務に係る特別教育
受講資格 満18歳以上
費用 10,000円~25,000円程度
内容 時間
学科 アーク溶接等に関する知識 1時間
アーク溶接装置に関する基礎知識 3時間
アーク溶接等の作業方法に関する基礎知識 6時間
アーク溶接装置に関する基礎知識 1時間
実技 アーク溶接装置の取扱い及びアーク溶接等の作業の方法 10時間

JIS溶接資格試験とは?

JIS溶接資格試験は、JIS溶接技能者の資格を得るために必要な試験です。JIS(日本産業規格)は、もともと製品に対する規定でしたが、製品の品質や作った人の技術の基準としても用いられています。そのため、JIS溶接資格者による鋼構造物に信頼性が増すというメリットがあります。

JIS溶接資格試験では、溶接を行う姿勢・方法や材料の種類・厚さによって難易度が分かれており、基本的には学科と実技を行います。

JIS試験、板の溶接試験の図
JIS試験、板の溶接試験の図
※引用元:日本溶接協会(http://www.jwes.or.jp/jp/shi_ki/ninsyou/index.html#info)

資格の種類

JIS溶接技能者の資格は、以下のようにさまざまあります。

  • 手溶接(アーク溶接)
  • 手溶接(ガス溶接)
  • 半自動溶接
  • ステンレス鋼溶接
  • チタン溶接
  • プラスチック溶接
  • 銀ろう付

各JIS溶接資格の対象材料と溶接方法、JIS規格は以下の通りです。各資格名をクリックすると、日本溶接協会の詳細ページに移動しますので、どのような資格なのか詳細を確認しましょう。

資格の名称 対象材料 溶接方法 JIS規格
手溶接(アーク溶接) 炭素鋼 被覆アーク溶接 ティグ溶接 ティグ溶接と被覆アーク溶接の組み合わせ JIS Z 3801 (手溶接技術検定における試験方法及び判定基準)
手溶接(ガス溶接) 炭素鋼 ガス溶接
半自動溶接 炭素鋼 マグ溶接 ティグ溶接とマグ溶接の組み合わせ セルフシールドアーク溶接 JIS Z 3841 (半自動溶接技術検定における試験方法及び判定基準)
ステンレス鋼溶接 ステンレス鋼 被覆アーク溶接 ティグ溶接 ティグ溶接と被覆アーク溶接の組み合わせ ミグ溶接またはマグ溶接 JIS Z 3821 (ステンレス鋼溶接技術検定における試験方法及び判定基準)
チタン溶接 チタン チタン合金 ティグ溶接 ミグ溶接 JIS Z 3805 (チタン溶接技術検定における試験方法及び判定基準)
プラスチック溶接 塩化ビニル ポリエチレン ポリプロピレン ホットジェット溶接 JIS Z 3831 (プラスチック溶接技術検定における試験方法及び判定基準)
銀ろう付 ステンレス鋼 炭素鋼 銅 銀ろう付 JIS Z 3891 (銀ろう付技術検定における試験方法及び判定基準)

参照:日本溶接協会 4.資格種類の一覧・適用規格 http://www.jwes.or.jp/mt/shi_ki/wo/archives/00/

それぞれの資格には「基本級」と「専門級」があり、下向きでの作業が「基本級」、下向き以外での作業が「専門級」となります。

各資格の記号は「N-1F」のようなアルファベットや数字の組み合わせで表されます。「N」の部分(第一項目参照)は、溶接方法や材料、裏当ての有無で、「1F」の部分(第二項目)は板の厚さや溶接の姿勢を意味します。「N-1F」の場合は「裏当てなし、3.2mmの厚さ、下向き」という意味になります。

以下にアルファベットや数字が表す意味を一覧にしたので、どのような規格があるのか確認しましょう。

第一項目
アルファベット 意味
N 裏当てなし
A 裏当てあり
T TIG溶接(裏当てなし)
C 炭素鋼:組合せ(コンビネーション) ステンレス鋼:被覆溶接棒(コアードフラックスロッド)
G ガス溶接
G ガス溶接
S 半自動溶接
SS ノンガス(セルフシールド)半自動溶接(裏当てあり)
M MIG溶接
TN ステンレス鋼TIG溶接
R チタン溶接
PVC・PP・PE プラスチック
FAPA 銀ろう付
第二項目
アルファベットや数字 意味
F 下向(Flat)
V 立向(Vertical)
H 横向(Horizontal)
O 上向(Over)
P パイプ全姿勢(Pipe)
1 3.2mm
2 9.0mm
3 19.0mm

参照:一般社団法人 愛知県溶接協会 JIS・WES溶接技能者資格について【概要】https://awes.or.jp/about_qualification/

受験資格

JIS溶接資格試験には、基本級・専門級それぞれに受験資格があります。
基本級:
1ヵ月以上溶接技術を習得した15歳以上の者。
専門級:
3ヶ月以上の実務経験ありの15歳以上の者で、各専門級に対応する基本級の資格を 所有する者。基本級への合格を前提として、基本級の試験と同時に受けられます。

ただし、銀ろう付の資格のみ、受験資格が一部異なります。
銀ろう付:
「1ヶ月以上の実務経験」と「15歳以上」に加え、以下のどちらかを満たしている必要があります。

  • ガス溶接技能講習を修了している
  • 在学中の高等学校・職業訓練機関でガス溶接技能講習と同等の安全教育・技能講習を修了している

溶接研修センターもあり

試験への合格をサポートするため、各地に溶接研修センターが設けられています。溶接研修センターでは、各資格に必要な学科・実技の研修を受けられ、研修の最後には溶接技能者評価試験の受験も可能です。資格を取ろうと考えている方は、お近くの地域にある溶接研修センターで研修を受けることをおすすめいたします。

試験の簡単比較表

項目 アーク溶接特別教育 JIS溶接技能者評価試験
どんなもの? 溶接を始めるための「入門チケット」 技術の高さを証明する「プロの証」
難易度 講習を受ければ誰でも取得可能 練習が必要な実技試験がある
有効期限 更新なし(一生有効) 1年ごとの更新(3年で再試験)
仕事の幅 基本的な溶接作業ができる 公共工事など重要な仕事ができる

Q&A

Q. 全くの未経験ですが、いきなりJIS溶接試験を受けられますか?

A. 受験は可能ですが、まずは「特別教育」の修了が先決です。 法律上、アーク溶接を行うには特別教育を修了している必要があるため、まずは講習を受けて基本の安全知識を身につけましょう。その上で、数ヶ月から1年程度の現場経験を積んでからJIS試験に挑戦するのが一般的です。

Q. JIS溶接試験にはどのような種類がありますか?

A. 溶接する「材料」と「姿勢」によって細かく分かれています。 最も一般的なのは「被覆アーク溶接(手棒溶接)」の試験です。さらに、板を横向きに溶接するのか、上向きに溶接するのかといった「姿勢」によっても種類が分かれ、現場で求められる技術に応じた試験を選択することになります。

Q. 資格を取ると給料や待遇は変わりますか?

A. 多くの現場で「資格手当」の対象となり、収入アップに直結します。 JIS溶接技能者の資格は、その人が「高品質な溶接ができる」という保証になるため、会社からの信頼が厚くなり、より責任のある(単価の高い)仕事を任されるようになります。

まとめ

この記事では、JIS溶接技能者とアーク溶接技能者の違い、JIS溶接資格試験についてお伝えしました。溶接技術の資格は、溶接の仕事を安全かつ的確に行ううえで必要なものであり、経験を積むことでキャリアアップも目指すことができます。「溶接の仕事がしたい」「キャリアアップしたい」と考えている方は、資格の取得を目指してみませんか。

また、東日本海洋建設では、アーク溶接者やJIS溶接者も活躍しています。溶接のお仕事やキャリアアップしたいという気持ちがある方は、ぜひ採用ページ からお問い合わせください。

一覧ページへ

私たち東⽇本海洋建設は、これからの⽇本の国⼟を⽀えてくれる、チャレンジ精神溢れる⼈材を求めています。若⼿が闊達に意⾒を述べ、ベテランとの相乗効果を発揮して、技術⼒を⾼め、信頼を得られる仕事を続けていく、それが当社の理想であり、その姿が今社⾵として根付いてきています。

⾃分の気持ちを表現すると同時に⼈の話も聞ける⼈、双⽅の⽴場に⽴って、互いの意⾒を調整することにやりがいを感じられる⼈、そして、相⼿のためにやったことが⾃らのためになると信じて前に進んでいける⼈──そんな⼈たちからのご応募をお待ちしています。

⼀緒に、⽇本の未来を⽀えていきましょう。

東日本海洋建設 採用情報

Works

Works

インフラ整備を専門技術で支える
都市環境創造カンパニー
東日本海洋建設

実績一覧はこちら