2025-05-31
海洋土木工事の現場積層による被覆防食工事とは?特徴と実際の施工事例

「現場積層」について、その目的やメリット、実際の施工事例を通して、理解を深めてみませんか?
この記事では、「現場積層」が海洋鋼構造物の防食や桟橋構造物の補修といった場面でどのように活用され、構造物の長寿命化や施工の効率化に貢献しているかについて解説します。
特に、東日本海洋建設の施工事例は、具体的なイメージを掴むうえで参考になるでしょう。
海洋建設における「現場積層」の重要性と、その多様な可能性を理解していただけたら嬉しいです。
この記事では以下のような内容をご紹介しています。
被覆防食工事の目的
一般的な被覆防食工事とは、港の岸壁や護岸の鋼矢板、桟橋の鋼管杭、または河川の鋼製の鋼構造物などをペトロラタム被覆工法により海水や真水による腐食を防ぐ為に施工されます。
ペトロラタム被覆工法とは?
ペトロラタムとは、防錆油の一種で鋼製に直接塗布することにより、鋼製の表面と酸素が遮断され腐食の進行を防ぐことができる工法です。
防錆油と言っても皆さんのイメージする油ではなく、実際使用する防錆油はペースト状になっていたり、防錆油をしみ込ませたシート状になっており海や河川に油が流出することはありません。
被覆することの重要性
鋼矢板や鋼管杭に塗布や設置したペトロラタム(防錆油)を工場で製作をしたFRP製のカバーなどで、覆いペトロラタムを保護します。
この保護することにより、防食耐用年数が30年~35年になり、外的要因等でカバーやペトロラタムが破損し鋼材表面が露出などしなければ、腐食の進行を大きく下げることが出来ます。
現場積層とは?
現場積層とは、基本工場で製作したFRPカバーでペトロラタムを保護出来れば問題ないのですが、鋼構造物の形状や、桟橋の鋼管杭の補強用接合箇所、岸壁の防舷材の取り付け金具接合箇所など、多くの箇所で複雑に鋼材が取り付けてある為、全ての場所で工場製作したカバーを設置することは出来ません。
その為、現場でその形状にあった保護カバーを製作する為に現場積層を行います。
現場積層に使用される材料
現場積層に使用される材料は、FRP製に使用される材料とほぼ同じで、シート状のガラス繊維に液状のポリエステル樹脂を浸透させ硬化させます。
シート状のガラス繊維は厚さは厚くても1mm程度なので、何層にも重ね合わせて保護カバーを製作します。
何層にも重ね合わせ施工を行うことから、一般的に「現場積層」と呼ばれます。
東日本海洋建設の実際の施工事例
東日本海洋建設は、被覆防食工事において豊富な実績があります。
ここでは、その中から江間忠千葉ヤードにおける事例を紹介します。

まとめ|現場積層による被覆防食工事
この記事では、現場積層による被覆防食工事の目的や具体的な使用場面を解説しました。
これらは、鋼構造物の長寿命化や施工の効率化に大きく貢献する重要な工事です。特に、鋼管杭や鋼矢板に行う効果は最大に発揮することができます。
近年、海洋構造物の老朽化が深刻な問題となっており、維持管理コストの増加も懸念されています。このような状況下において、防食工事は、効率的かつ効果的な維持管理手法として、ますます重要性を増していくと考えられます。
海洋建設会社の持続可能性を確保するためにも、防食工事の積極的な活用が期待されます。
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