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海洋土木の築造工事とは?仕事内容や魅力、必要な資格も紹介

海洋土木における「築造工事」とは、どのような工事かご存知ですか?
この記事では、海洋土木における築造工事の仕事内容や目的、具体的な施工事例、さらに役立つ資格についても詳しく解説します。

海洋土木における築造工事では、港湾整備や人工島の造成、エネルギー施設建設など、私たちの生活に欠かせない様々なインフラ整備に貢献しているだけでなく、実は、「海岸保全」といった防災の側面も担う重要な役割も担っています。

この記事を読むことで、築造工事が社会にどのように貢献しているのか、その重要性や魅力を深く理解することができるでしょう。
また、築造工事に関わる仕事に興味のある方に向けて、必要な資格や具体的な業務内容も紹介しますので、将来のキャリアプランを考える上でのヒントにしてください。

海洋土木の種類や詳細について知りたい方は「海洋土木とは?魅力や仕事内容、資格の種類を解説」も併せてご覧ください。

海洋土木の仕事内容とは?

海洋土木とは、海や河川、湖沼などの水域における土木工事の分野で、人々の生活や経済活動を支える重要なインフラ整備を担う、高度な技術と専門知識が求められます。
具体的には、港湾施設、護岸、橋梁、海底トンネル、人工島など、多岐にわたる構造物の設計・施工・維持管理を行います。

また、近年では、洋上風力発電施設や海洋資源開発といった新たな分野への進出も注目されています。

海洋土木技術者の仕事内容

海洋土木技術者の仕事は、計画・設計から施工管理、維持管理まで多岐に渡ります。それぞれの段階で、求められる専門知識やスキルも異なります。
実際に以下のような仕事を行います。

①計画・設計段階

計画・設計では、まず現地調査を行い、周辺環境や地盤状況などを詳細に把握します。その上で、構造物の設計図を作成し、必要な資材や工法、工程などを検討します。また、環境への影響評価やコスト計算なども重要な業務です。

②施工管理

現場での安全管理、工程管理、品質管理などを担当します。工事関係者との連携を密に取りながら、工事が計画通りに進むよう監督しますが、現場での的確な判断力やコミュニケーション能力が求められます。

③完成した構造物の点検

完成した構造物の安全性を維持するために、定期的な点検や補修を行います。維持管理の段階では、構造物の劣化状況を診断し、適切な補修計画を立案・実行します。そのため、長期間にわたって構造物の機能を維持するための専門知識が必要になります。

海洋土木工事の種類

海洋土木工事は、その目的や場所、工法などによって様々な種類に分類されます。詳細は「海洋土木とは?魅力や仕事内容、資格の種類を解説」をご参照ください。

その他にも、洋上風力発電施設の建設など、新たな種類の海洋土木工事が増えてきています。これらの工事においても、高度な技術と専門知識を必要とするため、専門の技術者が活躍しています。

海洋土木の築造工事とは?建造との違いについて

「築造」と「建造」は、どちらも「造る」という意味を持つ言葉ですが、その対象に違いがあります。

築造」は、主に土や石、コンクリートなどを用いて構築する土木構造物を指すのに対し、「建造」は、船舶や航空機、車両など、主に金属や木材を用いて組み立てる構造物を指します。

海洋土木における「築造工事」とは、港湾施設や護岸、海底トンネルなど、土木構造物を水域に建設する工事を指します。

例えば、ケーソンと呼ばれる巨大なコンクリート製の箱を海底に沈めて防波堤を構築したり、浚渫(しゅんせつ)によって、海底の土砂を掘削して航路を確保したりする作業が挙げられます。
これに対し、船舶や海洋プラットフォームの建造は、海洋土木ではなく造船業の分類となります。

項目 築造 建造
対象 土木構造物(港湾、護岸、橋梁など) 船舶、航空機、車両など
主な材料 土、石、コンクリートなど 金属、木材など
工法 土木工法 造船工法、機械工法など

海洋土木における築造工事は、大規模なプロジェクトとなる場合が多いため、安全かつ効率的に工事を進めるために、綿密な計画と正確な施工が欠かせません。

また、環境への配慮も重要な要素となります。近年では、地球温暖化による海面上昇や異常気象の増加など、海洋環境の変化への対応も求められています。

海洋土木の築造工事の目的

海洋土木の築造工事の目的は、港湾整備や交通インフラの構築、人工島の造成、エネルギー施設の建設、海岸保全など、多岐に渡ります。それぞれの目的について詳しく見ていきましょう。

港湾の整備

港湾は、海上輸送の拠点として、物流や経済活動に不可欠な施設です。築造工事によって、埠頭や桟橋などを建設・整備することで、船舶の安全な停泊や荷役作業の効率化を図り、円滑な物流を支えています。
また、旅客ターミナルの整備など、旅客船の利用促進にも繋がります。近年では、クルーズ船に対応した大型旅客船ターミナルの整備も進められています。

海岸保全

海岸侵食や高潮などの自然災害から海岸を守ることも、築造工事の重要な目的です。防波堤や護岸、離岸堤などを建設することで、海岸線の保全や防災機能の強化を図り、人々の暮らしを守っています。
また、海岸保全施設の整備を行うことで、自然環境を保全しつつ、景観の調和やさまざまな生物の生息を守る配慮が求められています。

交通インフラの構築

海上橋や海底トンネルなどの交通インフラの構築も、海洋土木の築造工事の重要な目的の一つです。
海上橋や海底トンネルを建設して都市同士や島を結ぶことで、交通の利便性が良くなります。特に海底トンネルは、交通渋滞の緩和や災害時の代替ルートとしての重要な役割を担っています。

人工島の造成

築造工事によって、海上に人工島を造成することも可能です。
例えば、関西国際空港や物流拠点、観光施設を建設する上では、海洋土木の築造工事はとても大切な役割を果たしています。

エネルギー施設の建設

海洋土木の築造工事は、エネルギー施設の建設にも役立っています。
洋上風力発電所や海底油田などの掘削施設の建設は、地球環境保全に繋がる重要な取り組みです。
また、液化天然ガスを供給するLNG基地や火力発電所の取水口・排水口などの建設も、エネルギー供給を安定させるために欠かせません。

目的 具体的な内容
港湾の整備 埠頭、岸壁、桟橋などの建設・整備
海岸保全 防波堤、護岸、離岸堤などの建設
交通インフラの構築 海上橋、海底トンネルの建設
人工島の造成 空港、物流拠点、観光施設の建設
エネルギー施設の建設 洋上風力発電所、海底油田などの掘削施設など

東日本海洋建設の築造工事の施工事例

東日本海洋建設は、長年にわたり海洋土木分野で築造工事を手掛けてきた実績があります。ここでは、その中から代表的な施工事例をいくつかご紹介いたします。

辰巳排水機場:護岸補強工事

東京都江東区辰巳にある辰巳排水機場は、荒川流域の下水道における重要な施設です。
東日本海洋建設は、この排水機場護岸補強に伴うPC盤の設置から上部工のの築造工事に携わりました。高度な技術と精密な施工管理により、周辺環境への影響を最小限に抑えながら、安全かつ効率的に工事を進めました。

辰巳排水機場:護岸補強工事の写真1
辰巳排水機場:護岸補強工事の写真2

五井火力発電所:護岸補強・水中土木工事

千葉県市原市にある五井火力発電所は、首都圏の電力供給を支える重要な施設です。
東日本海洋建設は、この発電所における大型設備更新工事の際、新型設備搬入用護岸の補強工事や旧放水路の撤廃に伴う水中土木工事の一部を担当し施工致しました。厳しい海象条件の中で、高い安全性を確保しながら大規模な構造物を築造しました。

五井火力発電所:護岸補強・水中土木工事の写真1
五井火力発電所:護岸補強・水中土木工事の写真2

築造工事に役立つ資格とは?

海洋土木の築造工事は、高度な専門知識と技術が求められる仕事です。専門性を高め、キャリアアップを目指す上で、資格を取得することは大きな力となります。
築造工事に役立つ資格は様々ありますが、ここでは代表的なものをいくつかご紹介します。

土木施工管理技士

土木施工管理技士は、土木工事の施工計画の作成や工程管理、品質管理、安全管理などを行うための国家資格です。
1級から2級まであり、1級は特に大規模な工事の管理に携わることができます。築造工事においても、工程管理や安全管理は非常に重要であるため、土木施工管理技士の資格は大きな強みとなります。
特に、港湾・空港・海岸などの海洋土木工事に関わる場合は、専門知識が活かせるでしょう。

土木施工管理技士の資格については「次は海だ!転職を考えている土木施工管理技士の方」をご覧ください。

潜水士

潜水士は、潜水作業を行うための資格です。
海洋土木の築造工事では、水中での作業が必要となる場合があり、潜水士の資格は必須となるケースもあります。水中溶接や水中検査、水中構造物の設置など、専門的なスキルが求められるため、資格取得は大きなメリットとなります。

潜水士の資格や詳細については「潜水士と港湾潜水技士の資格について|試験の難易度と対策」をご覧ください。

クレーン・デリック運転士

クレーン・デリック運転士は、クレーンやデリックなどの揚重機を操作するための国家資格です。
築造工事では、大型の資材や機材の運搬、設置などにクレーンやデリックが使用されるため、クレーン・デリック運転士の資格は現場で重宝されます。
資格の種類によって操作できるクレーンの種類や規模が異なるため、自身のキャリアプランに合わせて、適切な資格を取得すると良いでしょう。

その他の資格

上記以外にも、築造工事に役立つ資格は様々あります。玉掛け技能講習や小型移動式クレーン運転技能講習など、特定の作業に必要な資格を取得することも重要です。
業務内容やキャリアプランに応じて、様々な資格の取得を検討することで、自身のスキルアップに繋げ、より高度な業務に挑戦できる可能性が広がります。
資格を取得することは、自身のキャリアアップだけでなく、社会貢献にも繋がる重要な要素と言えるでしょう。

まとめ〜海洋土木の魅力〜

この記事では、海洋土木の「築造工事」の種類や仕事内容、建造との違いや関連資格などについて解説しました。
最後に、海洋土木の魅力について改めて考えてみましょう。

海洋土木は、港湾整備や海岸保全、エネルギー施設建設など、私たちの生活に欠かせない社会インフラを支えるやりがいのある仕事です。

巨大な構造物を海上に築き上げるダイナミックな作業は、大きなやりがいを感じることができる仕事です。また、自然を相手にする仕事であるため、常に変化する状況に対応していく必要があります。大変な面もありますが、同時に技術者としての成長を促す刺激的な環境とも言えます。専門性の高い技術を身につけることで、仕事を通して社会貢献を実感できることも大きな魅力です。

さらに、海洋土木は地球環境の保全にも深く関わっています。海岸線の侵食を防ぐための護岸工事や、再生可能エネルギーを活用するための洋上風力発電所の建設などは、持続可能な社会の実現に貢献する役割を担っています。地球規模の課題解決に携わることで、大きな使命感と責任感を持って仕事に取り組むことができるでしょう。

このように、海洋土木はスケールの大きな仕事に挑戦しながら、社会貢献を実感できる魅力的な分野です。専門的な知識と技術を習得し、未来の社会基盤を築き上げていくことに興味のある方は、ぜひ一緒に海洋土木の道を歩んでみませんか?

少しでも興味のある方は、東日本海洋建設株式会社 求人応募フォームより、ご応募お待ちしております!

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