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Expertise 技術・工法 / 深梁工法

深梁工法とは?

深梁(ふかばり)工法は、既存の桟橋の杭の間に部材(深梁)を設置することで桟橋を補強する工法で、耐震強化のほか、大型船舶の着船を可能にする目的で施工されます。上部工撤去などの大掛かりな工事を必要としないため、従来の増杭やジャケット置換工法と比べて工期短縮や施工費低減を図ることができます。

特記

  • JFEエンジニアリング株式会社
    桟橋補強工法(深梁工法)
    NETIS登録番号:KTK-140008-A 特許:5136589

施工にあたっての留意点

深梁工法の施工は、深梁を水中で仮り受けするための受け架台の設置から始まります。受け架台の取付位置が少しでも上下すると深梁が傾き、コンクリートを充填することができません。このため、取り付けには高い精度が求められます。また、受け架台は桟橋の下に設置することになるため、クレーンでそのまま吊り下ろして設置するわけにはいきません。そのため、潜水士がブイやエアーバルーンを使いながら、桟橋の下に引き込んで設置作業を行います。

深梁の大きさは桟橋によって異なりますが、大きい物だと5~8トンにもなります。深梁も受け架台同様、大抵の場合、クレーンで吊り下ろしての設置ができないため、ブイやエアーバルーンを使って水面に浮かせた上で、桟橋下へ移動させなければなりません。

このため、設置にあたっては、波浪状況や潮位、深梁の水平状態など、多くのことがクリアされなければなりません。当社では、天候・潮位の事前確認はもちろん、水中での深梁の水平状態についても、潜水士が十分確認した上で設置作業を行なっています。潜水士と陸上作業員の連絡は基本1人1通話ですが、水中で潜水士が会話できるよう、同時通話が可能な水中電話も新たに導入しました。

施工手順

1. 受け架台設置

2. 下地処理(ケレン)

3. スタッド・鉄筋

4. 深梁設置

5. コンクリート充填

6. 被覆塗装

施工にあたっての留意点 施工にあたっての留意点

施工事例

福島県 相馬港(2016年)

設置場所の水深が浅く、深梁をブイやエアーバルーンで水面に浮かして設置する方法がとれませんでした。そこで、桟橋下の杭に水中で直接深梁を吊り直せる架台を作成し、深梁を水面から架台に吊り直す方法で設置作業を行いました。

陸上での工事と異なり、水中での潜水作業では、施工前調査を十分に行っていても想定していなかったトラブルが起こることが多々あります。このような場合でも、現場でアイデアを出しながら、さまざまな課題をクリアするようにしています。

福島県 相馬港

当社の施工体制と機材※2022年7月現在

技能者

潜水士

30名※

1級港湾潜水士

6名

2級港湾潜水士

7名

送気調節係員

30名

※2022年7月現在

JIS溶接技能者

7名

アーク溶接技能者

23名

1級土木施工管理技士

5名

2級土木施工管理技士

5名

※協力会社含む

保有機材

水中で使用できるエアーや油圧で動作する機材

インパクト・チゼル・ハンマードリル・グラインダー・コアドリル

水中で使用できるコードレスの電気機材

肉厚測定器・水中カメラ・水中ビデオ(QI)・水中ライト

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深梁工法に関しては、「深梁工法とはどんな工法?メリット、デメリットをご紹介!」でも詳しく紹介しております。ご興味ありましたら、ご確認ください。